ご挨拶

動画工房の現在と未来

「劇場版ポケットモンスター」のアメリカでの大ヒットや「千と千尋の神隠し」のベルリン国際映画祭での受賞などが示すように、日本のアニメ-ション作品が世界的にも高い評価を得ていることは周知の事実であり、コンピュ-タ技術の進歩とともに、今後ますます世界的なビジネス展開が期待される分野であることに相違ありません。

しかしながら、映像ソフトの需要の増大に対してクリエーターの育成が追い付かず、また韓国や中国などに安い労働力を求めるため、産業の空洞化とともに質の低下が危惧されているのが実情です。

そんな中にあって、動画工房は設立以来30年間、一貫して人材の育成に力を入れてきました。たくさんの弊社出身のクリエーターが劇場、テレビ作品のメインスタッフとして活躍していますし、今現在も社内に数多くのアニメーターが在籍しています。そして、その根底には古沢日出夫から受け継がれ、何年にも渡って培われてきた技術の継承と、ものづくりへの限りない情熱があるのです。

アニメ-ション作品は手作業で描いた1枚1枚の連続した絵で成立しています。新しい発想と熟練した技術を持つたくさんの人の手によって創られたものであるがゆえに、多くの人に感動を与え得る優れた媒体であり、日本の誇れる文化の一つであり在り得るのです。けれども、作品を支えるひとりひとりのアニメーターたちにスポットが当たることはほとんどありません。ただひたすらに懸命に、誠実に紙の上に自己を表現し、世界を構築してゆく。そんなアニメーターたちの集合体が動画工房です。

私たちは、これからも才能の発掘とクリエーターのスキルアップを続けながら、新しい表現技術の開拓を行い、オリジナル作品の制作に向けた環境の整備、ゲ-ム業界との連携やキャラクタービジネスへの参入等、権利の獲得の実現をめざして前進を続けます。

相談役/石黒 育

ページの先頭へ